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衝突試験で損傷した車両の移動を効率化 - Horiba Mira 社の事例 -

Moving wrecked and damaged cars at test facility Horiba Mira

自動車は、私たちが生活する上で欠かせない主要な交通手段です。
今から 10 数年前には、世界中で使用されている自動車車両の台数が 10 億台を超えました。2018 年秋には中国単体で 3 億 2,200 万台に達し、中国は世界有数の自動車保有国となりました。

誰しもが自動車を利用する現在、最も重要視されているのは自動車の安全性です。自動車試験が車両エンジニアの重要な要素と捉えられている理由には、こうした背景があります。最新技術や付随するサービスを提供するにあたり、製品の品質、信頼性、耐久性、安全性を最高水準で実現することが求められています。

Horiba Mira 社について

こうした要件を確実にするために、世界中に試験や評価を行う数多くの企業が存在します。そのなかでも、世界有数の豊富な経験と実績を誇るのが Horiba Mira 社です。
車両エンジニアリングや各種試験を提供しています。1946 年に設立された Horiba Mira 社は、40 もの主要拠点や 62 マイル (100km) におよぶ車両走行試験場を備え、車両移動分野の研究開発において世界的に高く評価されています。 

Horiba Mira 社の研究施設では、衝突試験から風洞試験、歩行者の安全性評価、パワートレイン試験、環境試験、エンジンの騒音試験、EMC、コンポーネント試験、車体の構造試験、先進的排ガス試験など、あらゆる車両試験を行っています。

事故車両や損傷した車両を効率的に移動

Stringo 社は、長年にわたり Horiba Mira 社へ Stringo ビークルムーバー (車両運搬機) を提供しています。Horiba Mira 社のような施設では、車両を安全かつ効率的に移動させるために Stringo はなくてはならない存在です。

その一例として、衝突試験場が挙げられます。衝突試験に使用された車両は、自走できない車両も少なくありません。そうした車両を移動させるために、特殊仕様の Stringo を開発しました。デッキ部のカバープレートを厚くした CrushDeck (クラッシュデッキ) は、衝突試験後の車両に多い鋭利な突起があっても Stringo の躯体を保護します。
お客様の要件に合わせて Stringo をカスタマイズすることで、衝突試験現場での損傷を受けた車両の移動もより簡単に行うことができます。

自動車試験専用にカスタマイズ

Horiba Mira 社には、先進的排ガス試験設備 (Advanced Emissions Test Centre, 略称: AETC) も備えられています。 実際に Stringo S3 を使用して路上走行中での排ガス測定試験を義務付けた新しい規制 (Real Driving Emissions, 略称: RDE) の導入に対応した試験を行う様子は、下記のタイムラプス動画でご覧いただけます。 


お客様の要件に合わせた特殊仕様の Stringo ビークルムーバーは、自動車業界において確実にその名を上げつつありますが、中でも自動車試験は当社が重要視している分野のひとつであり、多くの特殊仕様の実績があります。

シャシーダイナモメーター (Chassis Dynamometer, 略称: シャシダイ) のローラーの間を通り抜けられるよう、Stringo PLUS シリーズのフロント部を特殊仕様にすることで、車両を直接ローラーの上にセットしたり、引き上げることを可能にしたカスタマイズ事例もあります。
また、オプションのウィンチをつけると、ローラーからの引き上げを容易にするだけではなく、衝突試験で破損した車両を Stringo に搭載する際にも便利です。使用環境に合わせて仕様を選定し、必要に応じてカスタマイズすることで、Stringo はさらに使い勝手の良いものとなり、効率よく日々の試験を行うことが可能になります。

Stringo マシンのカスタマイズ事例に関する詳しい情報につきましては、info@stringo.jp までお問い合わせください。