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警察の管理下にある車両を移動させる際の 3 つの課題とその解決策

Stringo car mover used in police custody.

警察による押収車両の管理 (移動や保管など) は、事件や事故などの重要な証拠の保全を目的とするため、捜査が続く間は、こうした車両の消失や改変などを防ぐ必要があります。この記事では、押収車両の状態を保ちながら、安全かつ効率的に移動させる方法についてご紹介します。

押収車両の保管や移動は、警察の中核業務ではありません。ですが実際には、違法駐車から殺人事件まで、多種多様な背景を抱えた車両が日常的に押収されており、こうした車両の管理業務が、日常業務の中で大きな割合を占めているのです。特に、車両を移動させる際に車両用の台車を使用したり、手で押したり、非効率な方法に頼っている場合は業務を遂行する上で大きな負荷となります。適切なツールを用いることで、膨大な保管スペースや手間のかかる業務は低減され、車両を移動させる際の作業者の怪我のリスクを最小限に防ぐことができます。

押収車両の移動が困難な理由

押収した車両を、安全かつ効率的に移動させる方法はあるのでしょうか—— 安全かつ効率的な移動方法については次の章で詳しくご紹介するとして、まずは、警察当局での車両移動が容易ではない理由について、少し考えてみましょう。

1. ロックされた状態の車両や損傷を受けた車両

警察に保管されている車両には、事故に巻き込まれて走行不能なもの、違法駐車によりレッカー移動され、鍵がなく、ロックされた状態の車両などが多く存在します。こうした車両は、移動させたくても、(物理的に運転できないため)移動させることができないというのが実情です。

2. 証拠を汚染することなく保管

警察が押収した車両の中には、強盗、麻薬の密売、殺人などの重犯罪に使用された可能性があるものも含まれています。こうした車両を移動させる際に、証拠が汚染されることのないようにすることが極めて重要になります。車両に残された証拠を追跡可能な状態で保管する必要があるため、関係者を含め、車両に直接触れることは望ましくありません。

3. 予測できない車両保管期間

車両の押収理由がなんであれ、押収された車両は、事件・事故が解決すると正当な持ち主のもとへ引き渡されることがほとんどです。競売にかけられ、新たな所有者に譲渡される場合もあります。一方で、押収車両が犯罪捜査と関連があり、裁判に発展した場合は、捜査から裁判を終えるまでのすべての過程において押収車両の保管が必要となります。保管期間が、数年に及ぶこともあります。こうした背景から、警察署では車両の保管期間や回収・引き渡しなどの予測が難しく、限られた保管スペースを効率的に運用することが困難になります。

警察署におけるこうした車両保管について詳しくは、米国ワシントン州東部に位置するスポケーン (Spokane) の警察署で事件・事故の証拠物管理を行う責任者のインタビュー『押収車両を効率的に管理してコスト削減 ~ 米国スポケーン警察署の事例 ~』もぜひお読みください。「巨大なテトリス」と称される現場の課題—— あなたも同じような課題に直面していないでしょうか。

オペレーター 1人で、安全かつ効率的な車両移動を実現

ご自身が所属する組織でも、前述のような課題を抱えていないでしょうか—— 他の警察署ではどのように押収車両を管理しているのでしょう。作業者の安全を確保しながら、証拠を汚染することなく、ロックされた状態の車両や損傷のある車両をどのように保管しているのでしょう。電動式のビークルムーバー(車両運搬機)を利用できる環境であれば、限られたスペースの中でも車両に直接触れることなく、安全かつ迅速に車両を移動させることができます。しかも、1人の作業員で対応することができます。

警察署での押収車両の移動においては、4 輪すべてを搭載できるビークルムーバーを採用していることが多く、4 輪すべてがロックされた状態でも車両を移動させることができます。また、Stringo AB 社のグローバルセールス部門の Bengt Becker は次のようにも語っています。

「(4 輪すべてを搭載できる) この種のビークルムーバーであれば、電気自動車 (EV) でも、電動式/手動式のパーキングブレーキが作動している車両でも、効率的に移動させることが可能です」

警察で導入されることの多い『Stringo S5 4WM』と『Stringo DuoMover』

ビークルムーバー(車両運搬機)で世界をリードする Stringo 社—— 警察向けには主に2 つのタイプの機材が採用されています。4 輪すべてをリフトするタイプの次世代型ビークルムーバー『Stringo S5 4WM』、そして、ビークルムーバー Stringo と併用利用することで 4 輪すべてがロックされる車両を安全に移動できる『Stringo DuoMover』です。

どちらが好ましい選択肢なのでしょうか—— という問いに対し、Bengt は「使用環境の要件と予算次第」と前置きしたうえで、次のように説明しています。

「4WM は 1 回のボタン操作で、瞬時に 4 輪すべてを持ち上げることができます。一方、DuoMover はわずかですが手作業を要すものの、使用環境や要件が変化する場合でも柔軟に活用できるツールです。4WM よりも DuoMover の方が安価ではあります」

Stringo マシンはすべて、使用環境や車両に合わせて受注生産されます。カスタマイズや追加で安全機能を搭載することも可能です。

「警察署の現場では、従業員の安全対策として『Automatic Roller Plane (乗り越え防止機能付きローラープレーン)』を追加で装備するケースが多く見られます。乗り越え防止機能付きローラープレーンは、弊社が特許を取得している機能で、マシンが急停止したり、進路に障害物がある場合でも、移送中の車両が Stringo から外れて落ちる (落車) リスクを軽減するものです

ビークルムーバーを導入してコスト削減を実現

Stringo マシンは人間工学に基づいて設計されており、電力以外は使用しないため、作業環境に排気ガスが混入することはありません。警察の保管車両を安全に操作でき、環境にも配慮した Stringo ビークルムーバーについて詳しくは、『押収車両を効率的に管理してコスト削減 ~ 米国スポケーン警察署の事例 ~』もお読みください。車両移動のために毎回レッカー車を依頼していた警察署が、Stringo ビークルムーバーを導入することで、多額のコスト削減を実現した事例もご紹介しています。

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